全国4万3千人の外国人の子どもの算数・数学学習をサポートする多言語対応版コンテンツ制作
代表者名
黒田恭史
大学
京都教育大学
チーム
外国人の子どもの教育を考える会(黒田恭史研究室)
応募カテゴリ
教育(学習)方法
研究タイトル
全国4万3千人の外国人の子どもの算数・数学学習をサポートする多言語対応版コンテンツ制作
研究内容の概要
日本語指導を必要とする約4万3千人の外国人の子どもを対象に、多言語対応版小学校算数・中学校数学動画コンテンツ約900本と練習用テキストを制作し、専用ホームページにて無償公開している。コンテンツ開発は京都教育大学数学領域専攻の学生が行い、大学教員と大学院生で内容をチェックし、翻訳を留学生が行っている。http://tagengohonyaku.jp/ http://tagengomath.jp/
概要説明ファイルはこちら↓
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支援対象
1.支援している活動:初等教育, 中等教育, インターネット学習
2.学習内容:数学
3.支援の意図:知識の習得, 理解の促進
4.学習規模:インターネット上無制限
研究の斬新さ、独創的な点
算数・数学動画コンテンツの制作のコンセプトは、「ベッドに寝ながらスマホで3分学習」とし、「いつでも・どこでも・どの段階からでも」気軽に算数・数学学習に取り組むことができるスモールステップの内容構成としている。日本語版を、活用ニーズの高いブラジルポルトガル語、ベトナム語、中国語、韓国語、英語に翻訳している。日本語版は約13万5千人の不登校の子ども、入退院を繰り返す病弱の子どもの学習支援につながる。
研究が与える影響
現在、特定地点に集中的に在住する集在化と、多地点に少数ずつ在住する散在化が同時に生じており、外国人の子どもの約1万人が、日本語指導加配教員などの配置がない、いわゆる無支援状態が生じている(毎日新聞2019年5月5日記事)。集在化地点に加え、面積が広い県、離島が多い県での散在化に対しては、日本語指導加配教員を配置することができないため、多言語対応版動画コンテンツが極めて有効に機能すると考えられる。
研究の社会的価値
動画コンテンツ制作に必要なソフトウェアはパワーポイントのみであり、アニメーション機能、録音機能、mp4での保存形式を用いるだけで、音声付き動画を制作可能である。翻訳費の初期投資をすれば、運用コストはかからず、必要に応じて他の言語版の制作が可能である。既に、京都市、横浜市、浜松市、越前市、出雲市などの学校現場で活用していただいており、今後は、無支援状態の多い、岩手県、長崎県などでの活用を検討する。