幾何証明課題の問題解決過程における推論の誤りの可視化
代表者名
大段由貴子
大学
広島大学
チーム
学習工学研究室 物理班
応募カテゴリ
システム・ツール・アプリ
研究内容の概要
本研究では、三角形の合同証明課題を対象とし、誤りの可視化を用いて学習者の問題解決を支援するシステムを開発した。
学習者が入力した証明に誤りがあった場合、システムはその誤りを肯定的に捉えた矛盾を含む図形を返し、それを見ることで学習者の誤りに対する内発的な気づきが促される。
概要説明ファイルはこちら↓
ligp2018_20_kika
支援対象
1.支援している活動:中等教育
2.学習内容:数学
3.支援の意図:知識の習得, 理解の促進
4.学習規模:教室規模
研究の斬新さ、独創的な点
「学習者の誤った考えが正しいと仮定した場合,どのようなことがおきるか」を視覚的に可視化する学習方法は力学分野において成功を収めている.
この誤りの可視化手法を用いて幾何証明課題の支援ができないかと考えたのがこの研究である.
これにより,幾何証明において従来は難しかった「誤りを直接指摘せず,誤りを示唆する」活動が可能になった.
研究が与える影響
幾何証明課題に対しては今まで行われていなかった新しい手法である.
誤りの可視化は間違った推論が正しいと仮定した場合に成立するた図形を見せて誤りを示唆するが,
誤りを直接指摘するよりも高い学習効果を生み出す.
また,学習者が幾何証明課題においてどのように間違ったかデータをとることができ,
学習活動の改善・システムの改善に役立てることができる.
研究の社会的価値
誤りの可視化に基づく勉強を行う場合,
もし人間が指導するならば教授者が付きっ切りで教えないといけない.
しかし,このシステムならばシステムが様々な間違いに応じたフィードバックを返すことができるため,
タブレットさえあれば授業中に使用したり,一人での自宅学習に使用したりすることができ,教授者の負担削減となる.