ベースマップの協調的作成による授業準備の提案

国立広島大学 木村達也
チーム
学習工学研究室
学校名
国立広島大学
代表者名
木村達也
概要
授業において,学習者の理解と教授者が学習者に到達してほしい理解(共有目標理解)の齟齬を可視化する手法として再構成型概念マップ(RCM)が提案されている.また,教授者が共有目標理解を概念マップとして表現したものがベースマップ(BM)である.RCMでは,教授者があらかじめ作成したBMを分解し,学習者がそれを再構成する.本研究ではBMの作成支援法として,複数の教授者により協調的に作成する手法を提案する.
支援対象
1.支援している活動:中等教育, 高等教育
2.学習内容:学び方
3.支援の意図:知識の習得, 理解の促進, 教材・教育方法の改善
4.学習規模:教室規模
研究の斬新さ、独創的な点
BMの作成をリソース重畳型概念マップ(ROM)で支援するという点.ROMとは,各教授者が作成したBMを教材に重畳する手法であり,教材のどの部分をBMとして構成したかが可視化され,教授者ごとの教材に対するアプローチの違いを発見できる.そのため,BMを持ち寄り1つのBMを作成するにあたって,具体的な議論が可能となる.また,BMの作成を複数人で行うことで教授者による授業のずれを抑止することが期待される.
研究が与える影響
本研究では,学習者と共有可能なBMの作成のために教授者間で議論を行い,BMの合意・修正を行うことで,教授者の授業設計や教材における認識の統一と理解の深化を促し,教育現場での学びの質の向上に高い効果をもたらす.また,こうした協調的活動は,教授者の専門性の向上や持続的な授業改善にもつながる.さらに,協調的作成にて利用したROMは,様々な教科や領域への展開可能性を持ち,教育全体の質的向上に貢献する.
研究の社会的価値
本研究は教授者がBMについて議論を行い,BMを協調的に作成することにより,初回から質の高い授業を実施することを可能にする.学校ではクラスごとに授業担当者が異なるが,行われるテストは共通したものであることが多い.そこでBMの作成支援を行うことにより,各クラスで授業を統一させることが可能になる.これにより,教育格差の是正や教授者の指導力向上,教育現場全体の質的改善に貢献するという社会的価値を有する.



