生成AIを活用した研究の質を高めるフィードバックシステム

電気通信大学 板倉啓二
チーム
柏原研究室 研究洗練フィードバックチーム
学校名
電気通信大学
代表者名
板倉啓二
概要
研究活動では,他者からの指摘や助言(フィードバック,以降FB)が自らの研究を洗練させるために重要である.しかし,学会などのFBを受ける機会は限られており,また得られるFBも研究を的確に理解した上でのものとは限らず,研究者の新たな気づきを促すとは言いがたい.本研究では,どのようなFBが研究洗練に効果的かを整理・検討し,個々の研究に応じたFBを提供するため,生成AIを活用したFBシステムを開発した.
支援対象
1.支援している活動:研究活動
2.学習内容:学び方
3.支援の意図:理解の促進, メタ認知の促進
4.学習規模:個人
研究の斬新さ、独創的な点
生成AIを用いることで,個別の研究内容に対して具体的なFBを与えることができる.しかし,そのためには,どのようなFBを提示すべきかを考えることが必要である.本研究では,研究内容に対する理解が曖昧な状態を整理・分類し,状態ごとに曖昧さを指摘するようなFBをデザインした.そして,それに基づくプロンプトを設計して生成AIを制御することで,効果的なFBを生成するシステムを開発した点が斬新である.
研究が与える影響
個別の研究に対して効果的なFBを与えることは難しい.この問題に対して,開発システムの評価実験から,指導教員からまたは学会で得られるようなFBが生成されることが示された.これは,本システムが研究洗練に繋がる気づきを与えられることに加え,生成AIを用いて直接的なFBではなく質問を提示し思考を促す制御を行うことで,曖昧な状態に研究者が自ら気づく力を育成するシステムの実現が可能であることを示唆している.
研究の社会的価値
近年,生成AIが自らの思考を代替できると考える人が増えている.しかし,生成AIは既存知識しか学習していないため,未知の問題や創造を必要とするような思考の代替に不向きである.本研究では,生成AIを思考の代替ではなく,研究者に曖昧な状態への気づきを与え,研究への理解を見直し深めるきっかけを得るためのツールとして捉えている.思考を深めるための生成AIの活用法を示している点で,本研究は社会的価値がある.



