授業時のPMS症状を抑えられる「落ち着く香り」発生スイッチ付きマスクの開発

共立女子大学 南雲萌
チーム
谷田貝研究室 教育研究班
学校名
共立女子大学
代表者名
南雲萌
概要
日本人女性の70~80%が月経前に何らかの不調を自覚し、5%は重いPMS (月経前症候群)で日常生活に困難を感じます。特にPMSの発症は思春期に多く、これは学校生活や学習活動への大きな阻害要因にもなってしまいます。本研究は、PMS発症の要因でもある、女性ホルモンの急激な変化時(特に黄体期後半)に起こる嗅覚過敏が引き起こす、多様な不快臭がトリガーとなるストレス誘発や心身不調を芳香療法を参考にします。
支援対象
1.支援している活動:初等教育, 中等教育, 高等教育
2.学習内容:その他 学習活動のパフォーマンス向上
3.支援の意図:理解の促進, 学習周辺コストの軽減, その他 学習機会喪失の防止
4.学習規模:研究室規模
研究の斬新さ、独創的な点
月経時に周囲の不快臭からガードする「おちつく香り」発生スイッチ付きマスクを開発。本来、重いPMSの対症には処方(漢方薬や低用量ピルなど)されることが一般的ですが、本研究では芳香療法を応用します。また、香りの発生は精油(揮発性芳香物)が一般的ですが拡散性が高いため、香道で使われる「お香」を少量、比較的低温(100°程度)で加熱し、ガムを噛んでいるとき程度の雰囲気香に抑え周囲に伝わらないようにします。
研究が与える影響
思春期に多いPMSの症状は、個人差が大きく症状の軽い人や、必ずしも本研究で提案する対症方法が万能なわけでもありません。しかし、月経時の嗅覚過敏により、集中力が低下、ストレスが溜まるなど、学習時の大きな阻害要因になる生徒や、定期試験や高校・大学等への大切な受験時に本症状で悩まされる生徒の内、1人でも本研究の対症方法で解消されるなら、その生徒にとって学習機会を保障する大切なお守りになるものと考えられる
研究の社会的価値
現在、PMSの発症により学習が困難な事態となった生徒は「我慢」か「離脱(欠席や保健室)」の2択であることが現状です。このことは広く学習機会を確保しなければならない現代社会において解決しなければならない大きな課題です。また、思春期の生徒のみならず、成人以降もPMSの症状が重篤で、特に月経前不快気分障害(PMDD)と診断される方々には、投薬以外の対症方法が無いのが現状。よって、本研究は社会課題である。