動画注釈に基づく質問支援と学習過程の把握のための教育支援システム

神戸大学 王笑難
チーム
清光研究室
学校名
神戸大学
代表者名
王笑難
概要
動画を活用したプログラミング教育が広まり,学習者の能動的に学びが重要視されている.しかし動画視聴中に生じる疑問や気づきがその場で共有・活用されにくく,教員側も学習状況を把握しづらいという課題がある.
本研究では,プログラミング学習に特有な行動を踏まえ,学習者が動画に直接注釈できる学習支援機能と,学習データの可視化より学習過程を捉える教育支援システムを構築した.
支援対象
1.支援している活動:インターネット学習, コミュニケーション活動
2.学習内容:プログラミング, コミュニケーション
3.支援の意図:メタ認知の促進, 学習データの分析
4.学習規模:インターネット上無制限
研究の斬新さ、独創的な点
学習者の動画注釈を「教育的リソース」として再定義し,それを発問支援と能動的な学習を促進する点にある.
特に,プログラミング学習における「どこで」「なぜ」つまずいたかを動画のタイムスタンプと紐つけて,学習側の質問しにくい点を解決しつつ,動画視聴中に自然に生じるメモやコメントを構造化して記録・分析することで,従来のログデータだけでは把握困難だった学習のつまずきや着眼点を一目で分かれる.
研究が与える影響
学習効果:プログラミング状況を特定する記述をほとんど必要としない,学習者が自身の気づきや疑問を簡単にを簡単に記録・表出できる.復習時も画面と共に理解の深化が促される.
教育効率:教員は注釈をもとに個々のつまずきや理解度を把握でき,効率的な個別対応や授業改善が可能となる.
変革:従来の一方向的な動画学習を,学習者の能動的な関与と対話を重視した双方向的な学習環境へと転換する.
研究の社会的価値
応用可能性:本システムはプログラミング教育に限らず,実践的な学習を伴う分野の動画教材にも適用可能であり,幅広い教育現場で展開できる.
実用可能性:既に大学のオンデマンド授業で使用しており,既存の動画教材に簡易に組み込める設計であり,導入コストを抑えつつ学習支援の質を高める.
市場性:自律学習を支援する教育ツールとして,学校教育だけでなく企業内研修やリスキリング分野でも活用が期待される.