上級日本語学習者向けの敬語誤りに基づく学習者モデルの構築

北陸先端科学技術大学院大学 覃澍斌(QIN Shubin)

北陸先端科学技術大学院大学 覃澍斌(QIN Shubin)

チーム

長谷川研日本語学習支援チーム

学校名

北陸先端科学技術大学院大学

代表者名

覃澍斌(QIN Shubin)

研究内容の概要

日本語学習者を対象に、敬語の文脈的誤りの特徴やパターンを表現する学習者モデルを構築することを目的とする。文脈的誤りとは、場面や状況に合わない表現であり、例えば、「ご苦労様」という表現は、文法的に誤りがなくとも、目上の人に使用するのは適切ではない。提案モデルは、誤りの修正ではなく、敬語使用の適切性を、「社会地位」、「正式度」、「親密度」という条件に基づく誤りの検出、記録、可視化することに重点を置く。

支援対象

1.支援している活動:高等教育

2.学習内容:語学

3.支援の意図:理解の促進, メタ認知の促進

4.学習規模:個人

研究の斬新さ、独創的な点

本研究は、日本語の敬語学習において、文法的誤りではなく文脈的誤りを対象としている。LLMに動的文脈パラメタを導入することで、文脈的に不適切な敬語を検出するモデルを構築する。社会的文脈に数値化し、敬語の誤りを収集・可視化することで、学習者の敬語運用スキルの改善を支援する提案手法は日本語教育学における初めてのアプローチである。

研究が与える影響

本研究では、日本語の敬語の文脈的誤りに焦点を当て、誤りの収集と可視化を通じて、どのような場面でどのように敬語表現すべきかに気付かせることで、上級学習者の敬語運用スキルを向上させることを目指す。個人の日常的状況を入力することで、実践的な個別敬語学習が可能となる点で語学学習に変革をもたらす貢献となることが期待される。

研究の社会的価値

本研究は第二言語学習における文脈的誤りに基づいた学習者モデルの構築を目指すものである。現時点では日本語の敬語学習に特化しているが、文脈表現を入れ替えることにより、他の言語や他の状況においても文脈を適切に反映した表現を学習する言語学習モデルに応用可能である。

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