プログラミング授業を支援するピアAI

神奈川工科大学 設樂楓

神奈川工科大学 設樂楓

チーム

鷹野研究室授業支援AIグループ

学校名

神奈川工科大学

代表者名

設樂楓

概要

本研究は、自律学習を促すピア学習に着目し、学習者との親密度に基づいてプログラミング課題についてのヒントや助言を提示するピアAIを提案する。提案システムは、教師AIが単に解答を生成するのではなく、学習者とピアAIが友達同士が教えあうように「一緒に学ぶ」ピア学習体験を通して、学習者のメタ認知力と学習意欲を高めながら、自律的にプログラミング学習を進めることができる学習環境の構築を目的とする。

支援対象

1.支援している活動:初等教育, 中等教育, 高等教育

2.学習内容:プログラミング

3.支援の意図:知識の習得, 理解の促進, メタ認知の促進, スキルの獲得, 疑似体験, 教材・教育方法の改善, 学習データの分析, 学習周辺コストの軽減

4.学習規模:教室規模

研究の斬新さ、独創的な点

学習者とピアAIの関係を定量化するために、質問と解答に関する会話頻度、内容、表情などに着目し、親密度として算出する点にある。ピアAIは大規模言語モデルを適用して実現するため、解答にハルシネーションが生じる可能性がある。このため、ベクトルDBに格納されている講義・演習内容と解答が一致していることを検証するハルシネーション検証AIを導入して信頼性を向上させる点にも独創性がある。

研究が与える影響

プログラミング演習などで教員やTAのみでは多くの質問に対応できない状況において、ピアAIを通じて学生は対話的にプログラミング課題のヒントや助言が得らえるため学生の理解度に応じた個別説明と教員の負担削減の相乗効果が期待できる。親密度の導入により、学生にピアAIと仲良くなりたいという動機付けを与えることができるため、学習の継続性を高めるとともに、多様な学力の学生を対象とした個別最適化学習を実現できる。

研究の社会的価値

提案するピアAIは、プログラミング演習だけでなく、初等から中等・高等教育における様々な授業にも適用できるため、多くの教育環境で導入することができる。さらに、生成AIの対話性能、知識範囲の劇的な向上により人間の知識や学力の意義が問われつつある現在において、AIに任せるという立場ではなく、人間がAIとともに考えて成長するという新しい教育手法の一つとして社会的価値がある。

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