ネットワークの仕組みを体験的・自律的に学べるWeb教材: 通信プロトコルシミュレータProtoSim

大阪大学 北村祐稀

大阪大学 北村祐稀

チーム

浦西研究室

学校名

大阪大学

代表者名

北村祐稀

概要

高等学校の科目「情報Ⅰ」にはネットワークの仕組みの理解が含まれるが,その達成は難しい.そこでProtoSimでは,通信が目に見えないという困難さに着目し,高校生でも使用できる平易なシミュレータで内部の処理を可視化したり条件を変えて実験したりできるようにした.また,学習者が各自のペースで理解を確実なものにできるよう,シミュレータを用いた問題やその自動正誤判定などによる自律学習支援機能を組み合わせた.

支援対象

1.支援している活動:中等教育, インターネット学習

2.学習内容:その他 コンピュータサイエンス

3.支援の意図:知識の習得, 理解の促進, 疑似体験, その他 自律学習

4.学習規模:教室規模

研究の斬新さ、独創的な点

従来のシミュレータではルーティングなど特定の層の処理のみが扱われていたが,ProtoSimは通信プロトコルの全階層をそれぞれの性質に応じて可視化するUIを新たに設計し,通信の仕組みの全体像がわかりやすくなった.また,シミュレータの使い方や問題を提示してくれる画面を組み合わせ,学習者が自律的に学べるようになった.その結果,授業内で個別最適にネットワークの仕組みが学べる新たな学習体験を実現した.

研究が与える影響

ProtoSimを用いた評価実験を行った結果,事後の小テストで多様な専門用語を用いて通信の仕組みを具体的に説明できるようになるなど,従来の教育手法では達成しえなかった高度な学習目標を達成できた.その学習過程では,問題を解くために学習者がシミュレータ上で試行錯誤していたことが学習ログデータの分析から明らかとなり,自律学習支援機能のおかげで自己の学習を調整できる効果が確認された.

研究の社会的価値

ProtoSimをオンラインで公開したところ年間で1万人(18歳人口の1%)から広く活用され,学校教育の質の底上げという価値を社会に提供している.学校教員はURLを生徒に共有するだけで良いため,ProtoSimを授業に導入する準備の手間・コストは非常に低い.また,インタラクティブな演習環境と自律学習支援環境を統合する仕組みは汎用的なものであり,他の単元に応用する研究には現在別途取り組んでいる.

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