ESDに関わる能力が学生の情報システム開発PBLのスクラム活動に与える影響の調査
チーム
【JSiSE推薦】山川研究室
学校名
公立千歳科学技術大学
代表者名
佐藤駿
応募カテゴリ
評価方法
研究タイトル
ESDに関わる能力が学生の情報システム開発PBLのスクラム活動に与える影響の調査
研究内容の概要
情報系のProject Based Learning(PBL)では、価値の高い情報システムを継続的に開発する手法の体験的な学びとして、スクラム等の開発手法を取り入れる場合がある。しかし、学生がスクラム活動を円滑に進めることは難しい。本研究は、学生が過去に備えてきた能力・態度がスクラム活動の行動に与える影響を評価するために、持続可能な開発のための教育(ESD)の能力・態度に基づきこれを調査した。
支援対象
1.支援している活動:高等教育, その他 Project Based Learning
2.学習内容:その他 アジャイル型システム開発手法(スクラム)
3.支援の意図:メタ認知の促進, 教材・教育方法の改善, その他 学生のスクラム活動への難しさの解決
4.学習規模:小グループ
研究の斬新さ、独創的な点
本研究の独創的な部分は、大学の情報システム開発PBLの中で、学生によるスクラム活動の難しさに対し、学生が備えてきた能力・態度が影響するのではないかという点を、スクラム活動を情報システム開発に活用するための新しい着眼点としていることである。これにより、スクラム活動が上手く行かない学生に対し、どのように不足している能力・態度を自己評価するか、新たな方法を明らかにすることができる。
研究が与える影響
従来、PBLのスクラム活動にはプロジェクトの客観的な評価による支援や専用のコミュニケーションツールの導入による支援が検討されてきた。こうした中で本研究が学習・教育に与えるインパクトは、学生の能力・態度の自己評価と、スクラム活動への苦手傾向の関係を明らかにしようとしている部分にあり、これは、学生個々へのスクラム活動の苦手部分に直接的な教育支援をもたらすための新しい下地となる。
研究の社会的価値
本研究がもたらす社会的な価値は、初等中等教育で共通的に育むことが目指される「持続可能な開発のための教育」の能力・態度をスクラム活動の具体的な行動の苦手傾向の観点に用いることで、学習者を問わず他のPBLのスクラム活動にも応用が可能になる点にある。さらに、教育支援方法まで手掛けることができれば、一般のソフトウェア開発現場に向けて、スクラム活動に習熟した学習者を送り出すことに寄与すると見込んでいる。