非漢字圏学習者向け六書によるARイメージ漢字学習UXデザイン
チーム
谷田貝研究室AR漢字学習班
学校名
共立女子大学大学院
代表者名
yang jiarui
応募カテゴリ
学習・教育の要素技術
研究タイトル
非漢字圏学習者向け六書によるARイメージ漢字学習UXデザイン
研究内容の概要
漢字学習が困難な原因は、1文字で意味を表し、その数が多いことにある。そもそも漢字は字の形そのものに意味がありイメージとして理解・習得する必要がある。他方、後漢時代に許慎により六書を基にした「説文解字」が編纂され、優れた内容から現代まで漢字分類の基準となっている。本研究では、二千年来漢字理解の基となる六書に従い、漢字の造字や運用原理をARを活用しイメージとして理解・習得できるようにするものである。
支援対象
1.支援している活動:中等教育, 高等教育, 日常的学習, その他 留学前教育
2.学習内容:語学, 学び方
3.支援の意図:知識の習得, 理解の促進, スキルの獲得, 疑似体験, 教材・教育方法の改善
4.学習規模:その他 個人から小グループおよび教室規模
研究の斬新さ、独創的な点
「六書」は小学校~大学文学部に至まで、漢字の学習や研究においてしばし登場する漢字分類法である。この分類法は膨大な漢字を僅か6項でイメージとして理解できる点が優れている。しかし、この6項の分類は印刷された文字や図形のみで解説することは容易ではない。したがって、実在のカード等に書かれた(手書きも可)漢字やその部首から、ARとして音や3D映像にて六書分類を示せば、体験的イメージとして漢字を修得できる。
研究が与える影響
一般的に漢字学習は「読み書き」が中心であり本質的な教材としてのICT活用は不向きとされる。しかし、本AR漢字学習は六書に立脚した正当な漢字分類「象形、指示、会意、形声、転注、仮借」に従い、拡張現実でこの6項イメージを体験的に学習できる特異な学習法となる。加えて、ARの表現豊かな特性を生かせば、個人から集団学習に渡り多様な娯楽的学習活動も可能で、非漢字圏学習者への苦手意識を克服する学習を提供できる。
研究の社会的価値
昨今の日本文化ブームにより、多くの欧米人が日本語を学ぶようになった。しかし、表音文字圏の学習者にとって特性が全く異なる漢字学習は困難を極めており、潜在的に多くの学習者が脱落している。本研究はこうした市場を拡大することはもとより、小学校国語科における漢字学習へも十分応用可能である。加えて「六書」は漢字類型の原典にして現代にも通じるものであり、本学習法は中国語をはじめ全世界の漢字圏にも転用可能である。