勉強方法へのこだわりを共感で緩和するロボットインタラクションシナリオデザイン

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チーム

柏原研究室ロボットチーム

学校名

電気通信大学

代表者名

佐々木奏

応募カテゴリ

システム・ツール・アプリ

研究タイトル

勉強方法へのこだわりを共感で緩和するロボットインタラクションシナリオデザイン

研究内容の概要

学習者が使い続けている勉強方法を,他者の成功体験に共感することで他の方法に変更することを目的とした,ロボット対話システムを開発した.まず,学習者が新しい方法の効果を理解していても自分の方法にこだわり,そのこだわりが共感によって緩和される心のはたらきをモデル化した.そして,モデルベースに共感を生み出すインタラクションをデザインし,ロボットの感情表現を制御して学習者の共感を引き出すシステムを開発した.

支援対象

1.支援している活動:初等教育, 中等教育, 高等教育
2.学習内容:学び方
3.支援の意図:疑似体験, その他 学習段階に応じた学習方略の活用
4.学習規模:個人

研究の斬新さ、独創的な点

勉強方法の教授は,効果や取り組み方を説明・実践で教える認知的手法が一般的であった.しかし,自分の方法にこだわり,変えることを情動的に拒んでしまう人が多い.この問題を解決するため,特定の方法へのこだわりが他の学習者の勉強方法への共感で緩和するという心のはたらきをモデル化し,共感を生むインタラクションシナリオをデザインした点,およびシナリオベースにこだわりの緩和を支援する点が,本研究の斬新さである.

研究が与える影響

勉強方法は学習段階に応じて適切に変更する必要がある.新しい方法を知り,変更することは認知的な活動であるが,本研究ではこうした認知面でなく,こだわりという情動面の問題に着目し,他者への共感がこだわりを解消する上で有効であることを示すモデルを提案した.また,モデルに基づくロボットとのインタラクションを通して情動面に働きかける点は,従来の認知重視の学習支援研究に対してインパクトのある支援方法といえる.

研究の社会的価値

本研究での提案モデルは,学習者のこだわりを緩和すれば今までと違う勉強方法を自ら活用することを示している.このような学習の主体性は勉強方法の学びに限らず,物事の捉え方や考え方,社会人の振る舞いなど様々な学びの場面で求められると考えられ,本支援方法は社会的に幅広く応用できる.また,今後の知識社会において認知・情動の両面を支援する学習パートナーとしてロボットを活用する先駆けとなる研究としても価値がある.

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