ハイブリッド講義受講者間のコミュニケーションを促す遠隔操作ロボットの検証
チーム
【JSiSE推薦】柏原研究室eDXチーム
学校名
電気通信大学
代表者名
有賀弘晃
応募カテゴリ
実践方法
研究タイトル
ハイブリッド講義受講者間のコミュニケーションを促す遠隔操作ロボットの検証
研究内容の概要
コロナ禍において対面講義と遠隔講義を組み合わせたハイブリッド講義が実施されてきた。しかし、ハイブリッド講義では、対面・遠隔参加者同士のコミュニケーションが疎になる問題が生じ、学習の質が低下してしまう。本研究では、対面教室に設置されたテーブルトップ型ロボットを、遠隔参加者が操作しながらハイブリッド形式の講義に参加することで、講義参加者間のコミュニケーションが促進されるかどうかを定量的に評価した。
支援対象
1.支援している活動:高等教育, コミュニケーション活動
2.学習内容:コミュニケーション
3.支援の意図:理解の促進, 教材・教育方法の改善
4.学習規模:教室規模
研究の斬新さ、独創的な点
現在、ハイブリッド講義を支援するための機器の導入事例がいくつかある。しかし、多くの事例では機器が用いられるのみで、その効果について十分な検討がされていない。本研究では、ハイブリッド講義での議論において遠隔操作ロボットを利用し、その効果についてアンケートを用いて講義への積極的参加に関する主観的評価と、参加者の発言数と発言時間を用いてコミュニケーションの促進に関する客観的評価を行った点が独創的である。
研究が与える影響
評価の結果、従来のWeb会議システムを用いた場合よりもロボットを用いた方が対面・遠隔参加者両方が積極的に議論に参加し、各参加者の発言量が均等になり、コミュニケーションが促進されることを確認した。これは、従来手法では発言が少なかった参加者の発言を促し、質の高い議論を促す可能性があり、対面・遠隔参加者共に学習効果が高まることを示唆していると考えられ、過去の実践的研究では見られない新たな知見が得られた。
研究の社会的価値
本研究から得られた知見は、ハイブリッド講義における参加者間の交流を支援する機器の重要性を示し、参加者間の交流を促進するために必要な機器や、その使用方法を検討する一助となると考える。現在は対面講義が主に実施されているが、本研究の成果によって教育現場へのハイブリッド講義支援機器の導入が加速され、遠隔講義の利点を活かしたより質の高いハイブリッド講義が多くの現場で実践されるようになることが期待される。