画像生成による誤答の示唆性を活用した語彙学習支援システム
チーム
JAIST長谷川研究室第二言語習得支援チーム
学校名
北陸先端科学技術大学院大学
代表者名
杉田 一樹
応募カテゴリ
システム・ツール・アプリ
研究タイトル
画像生成による誤答の示唆性を活用した語彙学習支援システム
研究内容の概要
英語語彙学習に於いて,学習者の誤りの繰り返しにより,誤りを自然言語として獲得するFossilizationが問題とされる.一方,従来の英語語彙学習では,画像を用いた方法が有効とされるが,学習者の誤答に注目した研究は少ない.本研究では学習者が誤答しやすい状況を意図的に作り出し,学習者の誤答に応じ画像を生成する事で効果的な内省を促し,繰り返しの誤答を回避する英語語彙学習支援システムの構築を行った.
支援対象
1.支援している活動:初等教育, 中等教育, 高等教育, 生涯学習, 日常的学習
2.学習内容:英語
3.支援の意図:知識の習得, 理解の促進, 学習データの分析
4.学習規模:個人
研究の斬新さ、独創的な点
画像から文を生成するイメージキャプショニングを活用し,学習用教材の自動生成を行った研究は存在するが,重要語彙に対する網羅性に限界がある.又,それらは学習者の誤答には注目していない.本研究では既存のデータ資源を活用する事で,重要語彙を網羅する学習用教材の自動生成を実現.学習者の誤答に注目し,学習者が誤答を誘発する環境を構築し,誤答時の効果的な印象を画像生成モデルにより可視化する点が独創的である.
研究が与える影響
学習効果:提案手法では,学習者の誤答に応じた生成画像により内省を促し,繰り返しの誤答を回避する事を目的とする.英語を第二言語とする8か国出身の被験者を対象とした実験では,提案手法は,誤答時の画像生成を含まない手法と比較し繰り返しの誤答を防ぐ上で有効である事を示した.
変革:視覚的情報の変化に依る語彙学習は,従来の画像のみの学習や対訳に依る学習とは異なり,今までにない画期的な語彙学習方法である.
研究の社会的価値
応用可能性:視覚的変化による効果的な学習を実現する提案手法は,学習が困難とされる多義語や,似た意味を持つ語彙に対する適用が期待できる.又,英語以外の多言語への適用が可能である.
実用可能性:画像生成精度,問題生成時間の課題は有するが,今後の研究の発展により解消可能と捉え,社会実装に耐えうると考えられる.
市場性:英語学習の社会的需要は高く,新規的な提案手法は十分な市場性を有していると捉える.