グループ学習における障害を支援するシステムの設計
大学
広島大学
代表者名
田中恒成
チーム
学習工学研究室KB班
応募カテゴリ
システム・ツール・アプリ
研究タイトル
グループ学習における障害を支援するシステムの設計
研究内容の概要
グループ学習は思考力, 判断力などを育成することが可能とされる学習形態であるが、学習者にとっては議論の目標やタスクが明確でなかったり、内容整理が難しかったりするなど様々な障害を抱えている。本研究ではこのような障害を概念マップと呼ばれる知識を図式化したものを用いて、学習者自身に概念マップを作成、また学習者同士の概念マップの重ね合わせを行うことで学習者の内容理解・整理を支援するシステムを提案する。
支援対象
1.支援している活動:初等教育, 中等教育, 高等教育, コミュニケーション活動
2.学習内容:討論, コミュニケーション
3.支援の意図:知識の習得, 理解の促進, 教材・教育方法の改善
4.学習規模:小グループ
研究の斬新さ、独創的な点
本研究で利用するキットビルド概念マップとは、あらかじめ教師が答えとなる概念マップを作成・分解し、それを学習者が再構成することで学習者の理解度を把握することを可能にする手法であり、主に教師から学習者へのフィードバックの軽減を目的にしたものである。本研究ではその手法をグループ学習に取り入れており、再構成した学習者同士の概念マップを重ね合わせることで、グループ内の内容理解・整理の支援を可能としている。
研究が与える影響
本研究で設計したグループ学習に対する支援システムでは学習者の概念マップを重ね合わせた重畳マップの作成及び表示だけでなく、どこで考えが異なっているか、すなわち討論すべき箇所を強調する機能、また最終的にどちらを採用するかといった機能も有している。このシステムを利用することでグループ内での考えの比較や内容整理を容易なものとし、グループ活動をより有意義なものにすることができる。
研究の社会的価値
本研究で設計したグループ学習支援システムは初等教育から高等教育までのどの教育現場のどの教科の授業においても利用可能である。また事前にゴールマップが準備可能ならば授業だけでなく、部活動さらには学校以外の現場におけるグループ活動に対しても有効である。さらに、グループ内でまとめた概念マップをグループ間での比較に用いるなど柔軟な拡張性を有しており、段階的な討論の際にも利用可能である。