すれ違い解消スキルの育成を支援する学習システムの提案

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大学

東京工芸大学大学院 工学研究科

代表者名

茂木誠拓

チーム

東本研究室

応募カテゴリ

システム・ツール・アプリ

研究タイトル

すれ違い解消スキルの育成を支援する学習システムの提案

研究内容の概要

対話では,話し手が自身の主張を聞き手に伝えるために,主張を導けるような発話を聞き手に共有する.聞き手は共有された発話を背景知識と組み合わせることで話し手の主張を推論する.したがって話し手と聞き手の推論に用いる背景知識が異なる場合すれ違いが発生してしまう.本研究では,すれ違いの事例を提示し,原因となる背景知識を学習者に組立させる演習を通して,背景知識を推定する能力の育成を目指したシステムを提案する.

支援対象

1.支援している活動:初等教育, 中等教育, 高等教育, 企業内教育, 生涯学習, 日常的学習, コミュニケーション活動

2.学習内容:討論, コミュニケーション

3.支援の意図:理解の促進, メタ認知の促進, スキルの獲得, 疑似体験

4.学習規模:個人

研究の斬新さ、独創的な点

本研究の斬新さは,すれ違いを論理として捉えることで,効率的な演習として実現可能にしている点である.システムは学習者の解答をもとにした主張の導出と,導出過程の可視化機能を持っている.背景知識を概念マップの形式で表現しているため,システムは教授者の想定している正答を分解することで,部品として学習者に提示する.学習者は部品を用いて,システムで表示されている主張が導けるような背景知識を組み立てる.

研究が与える影響

すれ違いの学習支援を対象とした研究そのものが新しく,演習化したこと,および支援システムを作成したことは学習上もインパクトがある.自身の主張(要求)に対して,相手に伝える発言が不足していることや,逆に相手の発話の理解の際に自身と相手の背景知識の違いを十分に認識することは難しく,この認識を促進するだけでも教育効果があるといえる.本研究では,二つの異なる主張から背景知識の違いを認識することが可能となる.

研究の社会的価値

本研究は今後多くの発展性がある.推論過程の構築を演習とすることで,背景知識の違いの認識だけではなく,どのような推論で主張が導かれるか,どこで差が発生したのかを学ばせられる.他にも,ある程度理解が進んだ後は,連続的な対話を対象とし,背景知識や推論過程を非表示にし,すれ違いを対話により解決させる演習も検討している.このような演習を行うことで実際の対話場面におけるすれ違いの認識や解消に近づくと考える.

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