ロボットプログラミングを用いた競争型知識共有プラットフォームの開発
大学
東京工芸大学大学院
代表者名
前田 新太郎
チーム
東本研究室 競争型知識共有プラットフォーム班
応募カテゴリ
システム・ツール・アプリ
研究タイトル
ロボットプログラミングを用いた競争型知識共有プラットフォームの開発
研究内容の概要
プログラミングにおいて,自身の記述したコードをより良いものへ近づける活動は重要である.本研究は,他者のコードから学習し自身のコードを洗練させる活動を総じて洗練活動として定義し,洗練活動の促進を指向した,オンライン上での利用を可能とする知識共有プラットフォームの開発を行った.洗練度合いを表すための評価指標や,他者とのレベル差が生じてコードが理解できない問題を解決するランキング機能などを搭載している.
支援対象
1.支援している活動:初等教育, 中等教育, 高等教育, 企業内教育
2.学習内容:プログラミング
3.支援の意図:理解の促進, スキルの獲得, 教材・教育方法の改善
4.学習規模:教室規模
研究の斬新さ、独創的な点
従来のプログラミング教育では,洗練活動を行うことは難しい.教授者は学習者が問題を解決できているかを評価することで精いっぱいであり,処理速度や可読性などまでを個別にフィードバックをすることは容易ではない.本研究により,評価指標から自身のコードの洗練具合を学習者自身で判断できるようにすることと,他者のプログラムのランキング機能による共有による自発的な洗練活動を実現した.
研究が与える影響
本研究では,同じ問題に取組む集団のコードを共有し,ランキング機能による競争を促進している.一定数の学習者が同じ問題に取り組む状況は,学校教育の現場でも企業教育の研修でも珍しくない.学習者は,生産性や汎用性などを意識し,熟達者の考え方を学べる.さらに,システムはサーバサイドで学習者が作成したプログラムを自動で収集し,ランキングするため,教師の負担はほぼないため効率化の面でも有効である.
研究の社会的価値
評価,共有,ランキングという機能は競技プログラミングでも扱われており,社会的な需要は既知である.しかし,競技プログラミングでは,処理時間やメモリ使用量などの指標であり,初学者には概念的に理解が難しく,また簡単な問題では差が出づらいため,初学者向けではない.本研究で提案する評価指標は,ロボットの挙動とともに理解しやすい収穫数などで効率性を可視化・評価しており,初学者の学びにも適している.