答えのないWeb空間で調べ学習の評価を。
代表者名
佐藤禎紀
大学
電気通信大学
チーム
柏原研究室Web調べ学習チーム
応募カテゴリ
システム・ツール・アプリ
研究タイトル
答えのないWeb空間で調べ学習の評価を。
研究内容の概要
Web調べ学習は学習者が主体的に課題に対して網羅的・体系的に調べる学習である。しかし、妥当でない課題が展開されるため課題展開の妥当性診断が必要だが、非構造なWeb空間では学習者の学習状態の把握が難しく、学習者の主体性を阻害する。そこで、学習者の主体性を損なわずに、課題展開の妥当性を診断する世界初の手法を提案した。実験の結果、学習者の振り返りを促進し、妥当な調べ学習が支援できる事が分かった。
概要説明ファイルはこちら↓
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支援対象
1.支援している活動:初等教育, 中等教育, 高等教育, 企業内教育, 生涯学習, 日常的学習, インターネット学習
2.学習内容:学び方
3.支援の意図:知識の習得, 理解の促進, スキルの獲得
4.学習規模:個人
研究の斬新さ、独創的な点
一般に非構造なWebでは学習者の学習状態の把握が難しい。そのため、個々の課題展開に応じたアダプティブな振り返り支援が難しく、課題展開に対する固定的な指摘しかできない。しかし、本研究では課題展開の妥当性に対し、診断を行い、それぞれの課題展開に応じた振り返りを促すための支援手法を世界で初めて提案した。実験の結果から、学習者は主体性を損なわずに、妥当な調べ学習を行い、その振り返りを促せることが分かった。
研究が与える影響
文部科学省は小中学生にとって情報スキルとして特定の情報を見つけ、関連付けするのが苦手であるという報告をしているが、その具体的な解決策は見つかっていない。しかし、本研究はその解決策となりうる。本研究では、学習者の主体性を損なわずに、診断された妥当性をもとに適応的に課題展開の振り返りを促す。この支援の環境下で学習を繰り返すことで学習者は、必要な情報を評価し、取捨選択できる能力を向上させることができる。
研究の社会的価値
Webは人類の集合知であり、そこにアクセスし、情報を活用する能力は現代社会において重要な能力である。しかし、情報社会の現代において、Webにある情報がすべて正しいとは言えず、Webから情報を選び取るのは難しい。本研究で育成され得る情報活用能力により、Webから得た情報を評価・取捨選択できるようになる。これは、信頼性の低い情報にも騙されない情報リテラシーの高い人材の育成につながる。