先生よりも分かりやすく教えてくれる講義ロボット
代表者名
菅原歩夢
大学
電気通信大学
チーム
柏原研究室講義ロボットチーム
応募カテゴリ
システム・ツール・アプリ
研究タイトル
先生よりも分かりやすく教えてくれる講義ロボット
研究内容の概要
スライドを用いた講義では、講師がジェスチャやアイコンタクトを用いて、学習者を重要な箇所に注目させる「注意制御」が学習内容の理解に欠かせない。しかし、人間は熟練度・疲労度によって適切な非言語動作がとれない場合もある。そこで、我々は、一定の水準で注意制御が可能なロボットによる講義を提案する。人間とロボットによる講義の比較実験の結果、後者の方が学習者の理解およびエンゲージメントを高めることが示された。
概要説明ファイルはこちら↓
ligp019_First_09
支援対象
1.支援している活動:初等教育, 中等教育, 高等教育, 企業内教育, 生涯学習, 日常的学習, インターネット学習
2.学習内容:数学, 英語, 物理, 語学, プログラミング
3.支援の意図:知識の習得, 理解の促進, 教材・教育方法の改善, 学習周辺コストの軽減
4.学習規模:小グループ
研究の斬新さ、独創的な点
既存コンテンツの応用:講義ロボットは、ほとんどのe-Learningコンテンツで既に用意されている講義用スライドと動画があれば、講義のための動作や音声を生成できるため、コンテンツを作り直さず、より良い教材を学習者に提供できる
新たな学習体験:遠隔で提供されている講義と学習者と同じ空間にいるロボットという、バーチャルと実空間を融合した (phygital) 新たな学習体験を提供する
研究が与える影響
注意制御は既存の手法では十分に取り上げられていないが、講義ロボットはジェスチャやアイコンタクトの動作で、学習者を適切な箇所に注目させることができ、人間の講師よりもわかりやすくエンゲージメントが維持しやすい講義を実施できる。また、二次元の画面で表せなかった奥行きに関する情報提示や、プログラムやネットワークを介したより個別性・インタラクティブ性の高いe-Learningも可能にする。
研究の社会的価値
講義ロボットは、注意制御のための動作系列を生成するが、この動作系列は講義動画を元に生成されるため、講師自身の個性は残すことができる。したがって、遠隔授業など講師が実際に現地にいないケースでも、学習者と同じ空間でロボットが講義を行うことでより真正な授業が行える。また、ロボットは講義以外にもプレゼンテーション全般に応用可能であり、学校の説明会等でロボットを用いれば現場のコスト削減にも繋がる。