プログラミングの、その前に。 次世代リテラシー「モデリング 学習」のススメ
代表者名
但馬 将貴
大学
信州大学
チーム
香山研究室_Cloocaチーム
概要
モデリングとは、一般的に、複雑なモノ・コトを分かりやすい対象に置き換えて考えることです。我々は、コンピュータで処理するモノやコトを、シンプルなモデル図で表現することをモデリングとして捉えます。シンプルなモデル図とは、簡単化したUML(クラス図・状態遷移図)やフローチャートです。我々が構築したS-cloocaでは、モデル図の要素と、課題に応じた語彙を、教師が決めることができます。この機能により、モデル図の複雑さと課題解決の自由度を制御することができます。また、S-cloocaはExecutableUMLの考え方に基づき、構築されています。すなわち、利用者が書いたモデル図がプログラムコードに、さらには実行コードに自動変換されます。この実行コードをコンピュータで実行することで、自分のアイデアを、実際の動きとして、自分の目で、確認することができます。 これまでの取り組みで、小学1年生で荷物搬送ロボットの動きを、小学3年生で線に沿って走るロボットカーや相撲力士の戦略をモデル図として表現できることが分かっています。そして、モデリングを学習してからプログラミングを学習することの肯定的な効果も確認されています。 2020年から、小学校でプログラミングの授業が必修化されます。ビッグデータやAIが応用される場面は、今後、ますます広まっていくでしょう。例えば、荷物配送ドローンの経路選択。例えば、掃除ロボットの動き方。例えば、サッカー対戦での戦略。例えば、囲碁の戦い方。 でも、ちょっと待ってください。こういったモノやコトを、プログラムで表現できるようになるにはどれ程の学習が必要でしょう? モデリングならば、(プログラミングを知らなくても)ドメインの知識、つまりサッカーや囲碁のルール、あるいは掃除の仕方や宅配の仕方を知っていれば、自分の考えをモデル図として表現できます。 さぁ。プログラミング学習の、その前に、モデリング学習を!
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